ブログ
2024.04.19 update
宇宙けらの贈り物パラサイト・セリコ隕石
宇宙からの贈り物パラサイト・セリコ隕石
ウィッドマンシュテッテン構造を持つ鉄質隕石も魅力的だが、カンラン石を交えた鉄石隕石のパラサイトもオンリーワンな模様で魅力的
パラサイトは、太陽系形成後にできた天体が衝突などで破壊され、その核(コア)とマントルの境界部が飛散した珍しい隕石です。核で鉄が形成されマントルでオリビン(かんらん石・ペリドット)が形成され、その境界部分で両方が混じり合った部分が源と言われています。
鉄とニッケルの合金にかんらん石が散在している鉄石隕石で「パラサイト」と呼ばれています。
鉄質隕石の特徴となるウィッドマンシュテッテンとオリビンの模様が見え、かんらん石の黄色、グリーン、ブラウンの色合いがステンドグラスのように輝いています。
パラサイトの名前の由来は、ロシアの科学者P.パラスが1772年にこの種類の隕石を記載したことから名付けられました。
パラサイトという言葉は、英語で2種類あります。「parasite」と「pallasite」
パラサイト隕石は、「pallasite」の方です。
「parasite」は映画パラサイトで聞き慣れていますが、関係性はないですね。
写真のパラサイトはケニア共和国セリコで発見されたことから、正式名称もセリコ(Sericho)となりました。セリチョーと呼ぶこともあります。発見年は2016年と非常に新しく、全体量は2.8tと推定されています。パラサイトのなかでも風化が進んでいない標本が多く、かんらん石が美しく輝くのが特徴です。
Category
Archive