岩戸の塩
岩戸の塩ができるまで
水分とにがり分を塩の中に焼き切ってしまった後で出る旨味。
ただただあたり前に、祈りを込めまっすぐに向き合った正直な塩。
日本人は昔から、神棚に米、水、塩をお供えします。また、風邪をひいたり病気になったりするとお粥を食べます。これも米と塩と水で出来る食べ物です。
昔の人々は自分たちの心や身体に必要な物を知っていて後世に文化や風習として残したのではないでしょうか。
昔ながらの伝統的な手法にこだわる岩戸の塩の美味しさの秘密をご紹介します。
海水を汲み出す場所は神前海岸(こうざきかいがん)。かつては神宮の御塩もこの海岸からの海水で作られていました。 水を汲む場所の条件は3つ。「山の水と海の水が交わるところ」「山と海の間に工業地帯がないこと」そして「砂浜があり水が浄化されること」です。 |
使用するのは塗料のついていない木材。薪割りも大切な工程のひとつ。使用するのは1日約200kg。 |
鉄製の登り窯に汲み上げてきた海水を入れ、15時間をかけてじっくりと結晶化させていきます。 |
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にがりの主成分である塩化マグネシウムは苦味があるのが特徴です。そのまま残すととても苦く感じますが、そのにがり分を最後まで焼ききってしまうとその苦味は旨味に変わり、味がまるくなり甘みさえ出てきます。
これはマグネシウムが熱され酸素と触れる事によってアルカリの性質に変化したためです。岩戸の塩が黄色がかっているのもこのマグネシウムや鉄分の化学変化によるものです。
途中まで白かった塩が仕上げの最後に黄色に変化します。それをさらに焼きあげる事によって淡いクリーム色に変化します。
「塩」というものはその生産者の考えによって製法、味、成分など本当に様々です。ですが、大切なのは心を込めて作る事です。急いで仕上げようとすると仕上がりも粗くなります。やさしく丁寧に仕上げるとやわらかくきめの細かい美味しい塩が出来上がります。
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岩戸の塩の由来と特徴
岩戸館の女将が、家族の体質改善を目的に始めた自家製の塩が、様々な巡り合わせ
で広がっていった岩戸の塩。
遡ること約20年前、女将が家族の体質改善を目的に、二見の海水を汲み上げて塩を作り始めたのがきっかけです。 その後、様々な巡り合わせで塩の成分を調べたところ、良質なミネラル分が豊富であることが判明しました。 当時は塩の専売制があり販売はできなかったものの、自家利用と希望される方々に送っていたところ、しばらく使い続けると、不思議な事に使った方々から塩の効能について嬉しいニュースが続々と届き、専売制が解けたことで正式な販売が始まりました。 |
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二見浦の製塩の歴史は、遙か昔、天照大神(あまてらすおおみかみ)のお供として諸国を旅した倭姫命に、 佐見都日女命(さみつひめのみこと)が堅塩を献上したのが始まりとされています。 |
日本も世界一の長寿国となり、科学や医学の進歩はある意味、快適で清潔な生活を私たちに与えてくれています。その一方、周りを見渡せば化学物質にまみれた物品や食物に囲まれ、大自然の法則や生命の法則とは懸け離れた生活を余儀なくされているのが現状です。確かに現代医学は多くの病気を克服し、多くの医薬品は私たちの健康を守ってくれています。 |
しかしそれも体の自然治癒力が十分に備わっていてこその事、日本をはじめ世界の多くの国の土壌は見た目の綺麗さに目を奪われた人類によって、その中に含まれる海の力を奪われ荒廃の一途をたどっています。以前は私たちに海の力を提供してくれていた多くの食品は、その含有量を低下させ、純度をあげ、単なるNaclと化した塩は、海の力を提供し得なくなってきました。 この結果、私たちの体をかたちづくる細胞自身の活力を低下させ、本来持っている悪いものを出しよいものを取り入れる機能『浸透圧作用』を低下させているのです。自然から得られる有効な成分を、できるだけ体にバランス良く取り入れ、本来人間が持ちうる能力を十分に高める事が自然の法則に則った生き方でしょう。 『岩戸の塩』も、このような自然の法則に則った生き方の一助になるように清浄な海水を心をこめて一杯一杯汲み上げ、時間をかけてじっくり煮詰めた清らかな塩でございます。調理や調味に気軽にお使い戴き、体の中の海に大海の活力を取り入れてくださいませ。 |
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